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国連組織が難民支援にブロックチェーンを利用することでのメリットや可能性について

国連組織が難民支援にブロックチェーンを利用することでのメリットや可能性について

 

ブロックチェーンは今や個人間の決済システムだけでなく、多くの分野での活用が現実化してきました。企業のシステムに導入されることでの業務の効率化はよく言われてきましたが、国連組織が難民の支援活動のためにブロックチェーンの導入を開始しています。既に活用されている支援もありますが、ではブロックチェーンの導入で具体的にどういったメリットがあるのか、具体的に解説していきます。

 

「食糧支援をブロックチェーンの支払いシステムで手数料削減」

国際連合世界食糧計画(国連WFP)のダイレクター、ロバート・オップ氏は、ヨルダンへ避難してきたシリア難民約10万人に対し、ブロックチェーンで食糧支援活動を既に行なっていると言います。1年間でシリア難民に900万ドルを送っていますが、ブロックチェーンを使用することで、送金手数料を98%削減できたとしています。

 

2018年末までには40万人のシリア難民を支援する予定です。このように国連という巨大組織がブロックチェーンを取り入れ始めています。WFPのオップ氏は「緊急性が高い最も支援を必要としている人たちにとって、ブロックチェーンのシステムが確率し、恩恵を受けられるまで待っている時間は非常に限られる」としています。

 

しかし食糧支援を行なっても、その先で仕事についたり、銀行口座を作ったりするには身分証やIDが必要になります。難民には戸籍や身分証、または携帯電話でさえ持っていない人たちも少なくはありません。

 

「虹彩認証で難民の生体情報を登録する」

ブロックチェーンを使い個人情報を登録し、デジタルウォレットを作成するやり方が取られています。仕組みとしてはシリア難民が隣国のヨルダンに到着すると、目の虹彩認証で生体情報をスキャンします。その後、国連食糧計画に援助を必要としている難民の情報を伝え、デジタルウォレットを作りそこへ食費を分配します。

 

ブロックチェーン上に個人情報が保管されるので、インターネットが繋がるところに行けば、身分の証明を行うことが可能にもなります。難民が買い物に行った際は、目の虹彩認証により食品の支払いができます。デジタルウォレットに履歴が残ります。

 

費用負担の軽減は限られた資金で活動している援助従事者にとって、1ドルでも多く食糧を購入するために使えることは、大きなメリットだとしています。

 

「国連プロジェクトサービス機関でブロックチェーンプロジェクト」

同じ国連ですが、その中に「国連プロジェクトサービス機関」という組織があり、そこに所属している山本芳幸氏は、ブロックチェーンを利用した難民の身分証明管理システムや、仮想通貨を活用した難民支援基金など複数のブロックチェーンプロジェクトに関わっています。

 

2017年に国連の64の機関に、ブロックチェーンに興味のある人を募り、1月に行われた勉強会にはわずか3人しか集まりませんでした。しかし2017年の年末には仮想通貨市場が沸騰し、国連でも認知度が高まりました。

 

1月から半年後のブロックチェーンプロジェクトのグループが3人から200人まで増えたそうです。また64機関中15機関がブロックチェーンの研究を始めました。2018年初頭には研究に取り組んでいる機関は26に増えました。

 

「具体的な難民支援に活用できる分野とは」

山本氏が進めているブロックチェーンの活用方法はいくつかあります。大きく分けると2つあります。1つ目は人道支援が対象となる人を見分けること、2つ目は支援する相手とする政府の識別です。

 

  • その人が人道支援を必要としているか見分ける

やはり難民が最も急を要して必要なのは食費もそうですが、身分証です。パスポートやIDなのど身分を証明するものがないことで人身売買に巻き込まれても救出することが困難であったり、大使館に逃げ込んだとしても直ぐに助けることができないケースがあります。

 

もし目の虹彩認証がブロックチェーンで保管されていれば、瞳を検知することで直ぐに出身国や内戦で難民になっているのか、誘拐で行方不明になっているのかなどを識別できる可能性もあります。何より身分証明を持たない子供が人身売買されると救出が困難になります。

 

深刻な人道問題解決には、ブロックチェーンでの身分証の登録は有効となりえる可能性があると山本氏は話しています。生体認証をブロックチェーンで管理することで、どこに行ってもその人の識別ができるようになります。

 

  • 政府に対してブロックチェーンを導入

国連が最も力を発揮するのは、国家を相手に仕事をする時で、何故なら国が機能不全になっていることで、たくさんの問題を阻止できないと山本氏は言います。

 

そこでブロックチェーンを国の再生のために活用する方法

・公平な選挙を行うために電子投票としてブロックチェーンを活用する

・身分証明は国家のサービスと結びついているので、国にデジタルIDを取り入れなくてはいけないが、その国自体が非人道的な独裁者が支配した時、政府が国民のIDを悪用できない形で作る必要があります。

・政府管理のためのブロックチェーンでの記録活用です。例えば、土地登記をすることで、誰の土地なのかを明確にし、活用できない土地を減らします。

・マネーロンダリング防止と本人確認の徹底のための活用です。機能不全になっている国家ではお金の流れもよくわからない状態に陥っており、マネーロンダリングや汚職など歯止めが効きません。そこでブロックチェーンで政府機能の管理を徹底させることです。

 

「実際に使えるようになるには現地での教育」

イーサリアムの開発に関わる宮口礼子氏は、個人的な活動として、「EverIDプロジェクト」に参加しています。彼女も個人IDをブロックチェーンに保管することが適しているとしています。改ざんされることもなく、大量のデータでも低コストで管理ができます。

 

難民問題を抱えている国では、すでに行政がIDの解決策としてブロックチェーンを模索しているところもあると宮口氏はいいますが、普及させるためにはその地域の実情に沿った仕組みと、簡単に使えるようにすることと、実際に使う人たちの教育が必要になるとしています。

 

インドでやインドネシアでは既にデジタルIDが行われていますが、親が子供の手続きをしなかったり、申請自体が国民にとってはハードルが高い場合もあります。

 

EverIDはトークンを発行し母国への送金も可能に」

ブロックチェーンは国のサーバーに管理されることはありません。「EverID」では目の虹彩や顔認識、指紋などの生体情報をハッシュ化してブロックチェーンにする計画が進められています。またそこから出身地やパスポートナンバーなどを紐づけすることができるそうです。

 

さらに銀行口座を持っていない人が仕事で賃金を得るためにも、EverIDで賃金が支払われるようにする計画があり、現金の代わりなので1コイン=1円となるようにするそうです。

 

ここで仮想通貨ではハードルが高いのでは?と感じるのは先進国だからと言えます。アフリカや東南アジアでは携帯電話を使った送金は一般的に使われています。また政情が不安定な国では、法定通貨が突然無価値のものになってしまうリスクもあります。

 

「難民や移民がお金を確実に送金する手段として、仮想通貨やブロックチェーンを活用することで様々な問題が解決するなら、彼らはすぐにでも仮想通貨ので送金を利用する」と宮口氏は述べています。

 

「国連が難民支援にブロックチェーンを利用することのまとめ」

ブロックチェーンには様々な分野で活用できる技術としてすでに国連からも注目されています。ビットコインなどの仮想通貨は投機的な目的で保有している人が多いかもしれませんが、本当に社会の役に立つ仮想通貨が今後価格を伸ばしたり、生き残ったりすると思われます。投資することでこういったプロジェクトを支えることにもなるでしょう。

 

 

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